日本では二胡のことを“胡弓”いう名称で呼ばれることがありますが、“二胡”と胡弓はまったく別の楽器です。
中国では二胡のことを胡琴(フー・チン)と呼び、弦が2弦であるため二胡(アル・フー)とも呼ばれています。 二胡の中にも形状や材料などの違いから二胡、板胡(バァン・フー)、京胡(ジン・フー)、高胡(ガウ・フー)、中胡などの種類があり、それぞれ音質が異なります。
中でも最もポピュラーなものが二胡で、音程は高胡と中胡の中間になり、様々なジャンルの音楽に適応することが出来ます。






二胡(アル・フー)

二本の弦を張る胡琴が“二胡”の元の意味です。江南地方の曲劇によく使用されるので“南胡”とも呼ばれます。台湾の方では南胡で呼ぶ人が多いようです。二胡は表現力が豊かで、人の声にも真似できるため、地方劇の伴奏などで広汎に使われます。琴筒に蟒蛇の皮を張り、琴筒の形でにより六角形、八角形、扁八角、楕円、の四種類があります。



板胡(バァン・フー)

北方の評劇・豫劇の伴奏および独奏・合奏用二胡。さおは堅木を使い、共鳴胴が円筒形ではなく、球形に近い椰子の殻で作られており、上面が蛇皮でなく柾目の針葉樹の板となっているため板胡と呼ばれる。
椰子殻の裏には指頭大の孔が穿たれ、絃は中子先から転手に渡して張られるが、転手が桿の側方から刺されて絃蔵がつくられているので、絃は絃蔵の端の部分で桿に触れている。したがって携琴や胡琴のような絃と桿を縛る紐(千金)はなくても奏し得る。二胡より八度高く調絃する。



高胡(ガウ・フー)

広東音楽の独奏および合奏用二胡。高胡は、構造は二胡と似ていますが、音域が4ないし5度高くなります。開放弦は一般的にはG音とD音(固定ドのソとレ)。二胡より明るく、官能的な音色がする。





中胡(ガウ・フー)

構造は二胡と殆ど同じで、演奏方法も一緒です。独奏曲は少ないし、楽団でも主要な楽器ではないので、中胡を専攻で練習する人は少ないようです。低音に豊満感あり、高音域の雑音を抑え、美しい音が出ます。


京胡(ジン・フー)

清の乾隆時代から、京劇(皮黄腔)の発展に従って、民間の弦楽器から生まれ、200年以上の歴史があります。最初は、琴竿は短くて、弓は柔らかいものを使われましたが、十九世紀から固い弓が普遍に使用されました。弦二本があって、琴竿と琴筒は全部竹で作られており、二胡と比べるとかなり軽い。筒口は青蛇の皮(薄く破れ易い物)を張り、千斤はフォ−クで弦を引き、糸で琴竿に固定します。音色は高くて強烈的な力があり、京劇の歌には非常に似合います。